ひさびさ
気づいたら、前回の更新からもう一年近く。
光陰矢のごとし、
いと俊し、といったところ。
この一年をしっかりと総括する時間が必要ですね、個人的には。
何もかもが「忙しい」を言い訳にしてきたわけで。
またぼちぼち更新していきたいです。
では
『八月のクリスマス』
メリー・クリスマス!
ご無沙汰しておりました。
毎年24日は閉店間際のスーパーに行って、
半額になったトリたちを買いあさっているのですが、
今年は行く時間が少し早かったのか、まだ定額でした。
なので、今年はエクレアとチキチキボーン。
そしてコーラ。
体に悪い感じが最高です。
で、『八月のクリスマス』
山崎まさよしの方ではなく、
オリジナル1998年のハン・ソッキュ主演の韓国映画。
個人的に生涯ベスト3に入る映画なんですが、5、6年ぶりに見ました。
そして
泣いた。
泣いた。
ええですね、静かに、静かに。
死に直面した男女の恋愛をセンチメンタルに描くのは、昔から王道。
なかでもこの映画の視点は死に行く「男」の目線。
『恋空』なんかは完全によくわかんない視点、すぐにぐらついて、ストーリーは唐突。
比べるのも失礼だけど、『八月のクリスマス』は違う。
ゆっくりと、ゆっくりと流れるようで、季節にのせて人は動く。
変わらない日常の中に少しずつ、終わりが見えてくる。
何気ない一言一言が、寂しく、そして悲しい。
部屋には外からの光が差し込む、
縁側で佇むシーン…写真館のウィンドウの黄昏…
写真館、家庭、友達、それぞれの設定をうまく生かしている。
好きだからこそのひいき目ではありますが。
とにかく切ない。
おすすめの1本。
クリスマスには合わないかも知れないけど。
では
充実の一日、江戸の話。
今日の予定は
歌舞伎
スポーツ
銭湯。
朝少し勉強して、9時過ぎに家を出る。
遅めの朝食(ウニ定食)を築地でとって、歌舞伎座へ。
東劇とか松竹に用があるときは、かなりの頻度で築地でウニ。
歌舞伎座ではしっかり幕の内弁当を購入。
てかネットでチケット買えるのはすごく便利。電話みたいに席指定ができないのは少し残念やけど。
今日は通し狂言「仮名手本忠臣蔵」
心待ちにしておりました。
あらすじとか背景も予習したし。
楽しむポイントはまだまだわからないけれど、雰囲気は充分。
しかも豪華キャスト。
いやー、存在感はすごかった。
松本幸四郎
中村勘三郎
などなど、テレビで見た顔はもちろん、古典で聞いたような名前もたくさん。
浄瑠璃は、大阪で見た文楽の義太夫(人間国宝)とは比べものにはならんかったけんど。
立ち回りは京劇のそれと比べると涙が出てくるくらいお粗末やけんど。
それでも、あの狭い歌舞伎座の雰囲気はなかなか。
ホールで見るのではなく、しっかり芝居小屋で見たって印象。
そして、役者の所作の美しさ。
これは必見だと。
和服ってああ動くと「粋」なんですね。
立ち姿、座り姿、動くときの腰の位置、手の所作や諸々。
これは伝えられてきた技ですね。
京劇の型に通じる美しさ。
加えて、一番高い席は2万とかして、しかも吉兆を出前にとったり、一番安い席は一幕900円とかでおにぎり。
この上から下まで、混在するところが文化なき都市、江戸っぽくていいです。
武士の都市で、文化は町人。
みんなで楽しむのが原点なのかな、って感じたり。
これが明治以降変なオーソリティを得て調子のってる感があるけど。
寿司も天ぷらもうなぎも蕎麦も元々は庶民の料理、高級料理ではない。
雑然とした混ざり合い、「大衆」というのが日本で誕生したのが江戸やないかと。
劇場に寿司て。たぶんマクドのノリで持ちこんだんやろね。
んで4時に午前の部終了。午後の部は日を改めて伺います。
そのあと俗に言う「銀ブラ」(ユニクロでヒートテックを購入しただけやけど)
んで、そのあと運動しにいきました。
友達とご飯を食べて帰宅後、家の近くの銭湯へ。
交代浴で体もさっぱり。
もう寝ます。
では
『トレインスポッティング』
早稲田松竹にて。
ダニー・ボイル特集。
英国にて過去最高益を出した『トレインスポッティング』と
アカデミー賞他多数受賞の『スラムドック・ミリオネア』の2本立て。
思ったより人が多かった、平日の昼からですけど?
やっぱり『トレインスポッティング』の威力やろね。
スキンヘッドor坊主刈りにヘッドホンてまんまのおもろい人もちらほら!おったし。
しかも最終回の『スラムドック』には行列が。
なかなかやるもんですな。
で、『トレインスポッティング』
スコットランド!
ドラッグカルチャーとかサイケな感じを受ける人が多いとは思いますが、
どちらかというとスコットランドな感じ。
主人公達がハイランドにいって、「クソな国」って愚痴って、
結局ロンドン行っちゃう、そして帰って来ちゃう。
ドラッグ、セックス、ミュージック、サッカー、007etc
無軌道でその場限りの生き方やけど、そこにヒッピー達のような底抜けの明るさはない。
基本構成は同じはずなんやけどね。
ヒッピーはカウンターカルチャーの担い手であり、彼らには依って立つものがあったし、彼らの多くにはエリートもいた。
んでもって、「Love&Peace」とか願うものも。
ラスタファリにしても、そこには何らかの将来へ向かっての「理想」みたいなもの
目指すべき現実との乖離が存在したと思う。
で、スコットランド。
なんもないやん。
金もない、仕事ない、やることない、なるものない。
3ナイ・4ナイやけど、そんな閉塞感ぶっとばして、そんなこと微塵も感じさせない。
というか、そんなの関係なくただ「生きて」ますやんね。
つまりは『岸和田少年愚連隊』なのね、基本的には。
それがスタイリッシュに、っていうと陳腐だけれど、かっこいい。
映像、音楽、全てがセンスいいよね。
サイケっぽくやりつつも話はきちんと成立してるし、リンチみたいに訳わかめでもない。
話はいたって明確に、そして単純に形成されてる。
登場人物もわかりやすく、そしてティピカルに描く。
そこに音楽、うまくイギー、ブラー、アンダーワールド、これもうまく使ってるけど、実はそれしかない。
なんか飛び抜けたことをやらずに、実にまじめに撮った映画。
センス勝負に見えて、実はしっかりとテクニックで撮ってる。
ダニー・ボイル、あんた張藝謀だよ(笑)
この人たぶん、ローカルからグローバルやんのうまいと思う。
ローカルに立ち入りすぎず、その臭いだけで料理して、その国の料理に仕上げる、これ見事。
この映画がイングランドでも大ヒットして、世界中の若者を捕まえたのも背後のカルチャーもあるだろうけど、そこも一因かな。
青春映画で、若者の無軌道な生き方って、どうやっても終わりは悲劇になるもんだけど、これはそうしない。
きちんと大人になりつつ悲劇的でもなく、きちんと終わらす。
途中はいろいろエピソードはいれれても、これは難しい。
個人的には『GO』『アメグラ』にならぶ名作です。
前者は疾走感、後者は時代性って意味で。
しかもハッピーエンド。
基本的には『Helpless』とか中上健次の世界だとは思うけど。
では
追
この前映画天国で見た『スコットランド・カップの奇跡』だとスコットランド感の辺が逆にローカルすぎる。
もともとそういう映画なんだろけど、スコットランドを強調しすぎてうざい。
サッカーで結びつくコミュニティ、そして家族、みたいな。
アメリカさんやりすぎですよと。
『狼と香辛料』『涼宮ハルヒの憂鬱』
今期?のアニメはこれだけ。
『蒼天航路』とか『夏のあらし』とかはちょこちょこ見てたけど、結局全部見たのはこれくらいか。
ノイタミナも結局『東のエデン』から見てない。
『狼と香辛料』『涼宮ハルヒの憂鬱』どちらも第2期で、前回はかなりの話題になったもの。
『狼と香辛料』から
前回の感想も含めて。
正直ホロとロレンスの会話が全て。
ときどき危うそうで、全てを見透かしているホロ。
んでもって全てを見透かしているふりして、普通に危ないロレンス。
この2人のバランスというか、掛け合いがアニメを成立させてます。
僕は原作読んでないのでなんとも言えませんが、経済ゲーム的な話の展開とミステリ的な手法。
ラノベっぽいっちゃそれまでやけど、その中ではキャラはうまくはまってます。
1期はホロに対して(私が)免疫がなかったのも含めて、良かった印象。
画は動かないし、なんかあったら同じシーンてのも、まぁ諦めます。
それがあってもてもホロの魅力がすごかった。
謎の郭言葉、これはやばいですて。
そして自分はうまく立ち回っているつもりでも、結局ホロにすがるロレンス。
ホロが圧倒的上の立場でありながら、形の上ではロレンスに従属するこの倒錯感。
なんとなく日本の男をくすぐるポイントを押さえている。
それが…
今回の第2期。
前回も「痴話げんかが命」と言われていたのが今回は顕著。
今期はホロの裸体のシーンもやや多め、そしてきわどい台詞も言わせてみたり。
前回よりもホロのロレンスへの依存度が強まった演出。
そしてホロの超人的パワーは今回はあまり描かれず、どちらかというとロレンスが自立した?感じ。
んーどうなんでしょう。
全体の印象としてはロレンスに依存度を増したホロが、その依存度によって、関係が揺れ動くと行った筋書き。
私としてはあんな弱い、可憐すぎるホロよりはもう少し人を小馬鹿にして、最後はやっぱり頼れるホロのが良かった。
って完全に自分の好みの話みたいになってるけど。
まぁ今回は比較的ホロが「調教」された、というと言い過ぎかな。
届きそうでふいっと逃げそうで逃げない、そんなホロが今回は逆にロレンスを試したり、信じたり。
2人の絆は深まったんでしょうけど…という第三者の嫉妬なのでした。
そして満を持して『涼宮ハルヒの憂鬱』
まぁやってくれましたわな、結論から言うと。
予告無しで、再放送かと思いきやいきなり新編始まったり。
8週間同じ話を続けてみたり。
結局『−消失』はやらずに映画化、という「うまい話」
なんやねん、と。
今回は私としては京アニ、角川の失敗。
なんか調子に乗りすぎたかなと。
確かに前回は社会現象にもなって、エヴァを越えたともいわれた(はず)
これにある意味安住して、オタク層に乗っかってきた。
自分自身が長門派であるのはここではおいておいて、キャラが落ち着いちゃいましたね。
なんか普通のアニメになってしまった。
前回のような驚きや、ドキドキ感は今回はなかった。
ラノベの原作を読んで話を知ってしまったのは不幸かも知れないが、それにしても、今回は微妙。
やはり前回のおもしろさは「ハルヒ」「みくる」「長門」一応「小泉」「キョン」彼らのおもしろさにあったはず。
特に今回の「ハルヒ」はたんなるイヤなやつに近い。
かわいさが足らない。あまりにもキョンの心情によりそって原作通りに映像化するとこうなる。
奇抜な設定よりも「学園もの」としてのある意味非日常性が受けたと思っているので、今回はどうでしょう。
『笹の葉ラブソティ』『エンドレスエイト』『−溜息』
再放送も交えて今回は時系列順に。
なんかハルヒの奇抜さばっかりが今回は目立ってしまった気がします。
長門があんまり…(笑
といいつつやっぱり、次の『−消失』が気になる。
ハルヒシリーズの持っている力で乗り切っただけで、今期のハルヒシリーズに新たなファンを獲得する力はあったのか。
(並べ直して再放送しただけでも効果はあるけど笑)
ただ、個人的には『エンドレスエイト』は好きで、なんだかんだで毎週見てしまった。
ああいう演出はマニア心というかオタクをくすぐるところがあって、AKB商法と一緒やと思うけど。
『笹の葉ラブソティ』はすごく前回に近くて、
これは今回『−消失』か!てテンションあがったけど空振りでしたし。
最後に『−溜息』はキョンが全面にでてきて、原作の近作にあるようなキョンがキーファクターになってる居心地の悪さと同じ。
まぁようするにキョンあんまり表でてくんな、てなわけか…
ハルヒの天真爛漫さがわがままに映らないような演出がうれしいです、あと長門(しつこい)
つまりはキョンに「調教」されてるハルヒは見たくないと。
お金がたくさん動くであろう作品なので、大事に大事に、そして名作を目指して欲しい。
2作好き勝手言いました。
まぁ3期やっても確実に見るんやろねぇ
では
『GOEMON』
2009年公開、紀里谷和明監督の2作目。
これは飛行機の中で見ました。
映像が売りの作品なので、そのへんは差し引いても、ひどいすね。
話の筋としては忍者同士の争いは実は裏で大局が動いていたと。
日本人はこの手の話が好きなんですかね、割と多い気がする。
『狂気の桜』しかり、若者や一見自由に振る舞う者達が組織にうまく使われて死んでいく…
という話です。
ぶっちゃけ筋は容易に想像つきますね、あんまり大きな展開も無し。
史実とはまるで違うので、そこだけ違和感になってしまってる感もぬぐえない。
人気者を多数配し、映像もまぁ金というか派手に作ってるなと。
まぁその映像はコンピューターでいじった張藝謀もどき。
日本的でも中国的でもない。
これはいうなれば日本のゲーム的。
戦国BASARAとか三国無双の世界を映画化したようなもんで、『FF』がこけたのと同じっちゃ同じ。
正直、映画でゲームの絵を見せられてもね、と。
ある映画関係者の方に「これは外国人が喜ぶように撮った感じらしいから、見たら感想聞かせて」
って言われてましたが…
外国人はほんまに喜ぶんですかね。
とりあえずそのためにはヒロスエは地味、もうちょっと派手でセクシーな女優さんでないと。
たぶん欧米から見ればヒロスエは子どもっぽすぎる(子どもおるけど)
あと話の展開も陳腐で、バットエンド。
これはあかんでしょ。
あんだけアクション盛り盛りでやったんやったら、観客の期待するのは大円団。
やっぱりゴリに(これ以上はいえないですけど)
結論として、無国籍すぎて意味不明、そして話も微妙にわかりにくい。
これは海外ではうけんとおもいますよ。
では
『DRAGONBALL EVOLUTION』『グラン・トリノ』『HACHI 約束の犬』
連日の更新。
だいぶ前、上海に行く空路で見た『DRAGONBALL EVOLUTION』
8月の終わりに、三軒茶屋シネマに行きたくて、見た『グラン・トリノ』
そして今日、ピカデリーで『HACHI』
とまぁバラバラですが、日本のリメイクつながりと、この前のイーストウッドつながり。
一応ね…
『DRAGONBALL EVOLUTION』
これは正直、ひどいです。笑える、を通り越して怒りさえ。
ドラゴンボールちゃいますやん。
『バック・トゥー・ザ・フューチャー』悟空はおたくではない、陳腐な学園モノにしないで。
『ハリーポッター』ピッコロはヴォルデモートですか?
『ロードオブザリング』うん、もういいや。
全てをごちゃ混ぜにした感じ。
どのシーンもなんか見たことあるシーンばっかり。
特殊効果を使えばいいってもんではないでしょ、悟空。
戦闘シーンは『STAR WARS』に『マトリックス』
いいもんが赤で、敵が青の気?これはもう流行らんでしょ。
そういや、ピッコロもダースモールに似てるし…
全体的に原作への愛とかリスペクトを微塵も感じない。
鳥山明も「別物」と言ってるように、もう原作ではないです。
とりあえず名前を借りているだけ、誰?みたいな。
設定さえももうぐちゃぐちゃ、大猿とか。
そして…
なんか終わりが続きを暗示しているようでしたが。
あり得ないです、もういっそ潔く登場人物の名前全部変えた方が売れるんじゃないすかね。
これが公開される直前に、海外と映画の仕事をされる人と会う機会があって、
その人が「この作品に関わった人間は、絶対、許さない」
言ってた意味がわかりました。
『グラン・トリノ』
イーストウッドの最新作。
これで俳優業は引退するらしい、どうしてもやりたかった頑固(偏屈)な元軍人役。
話としては、ポーランド系で朝鮮戦争の帰還兵でフォードの組立工だった、保守的な老人(イーストウッド)
と、近くに越してきたモン人の少年との交流を描く。
まぁ言葉にしてしまえばそんなもん。
それよりもこの映画はイーストウッドの男の美学全開。
黒人やアジア人には差別的な発言をしまくるくせに、「男」には熱い。
つまり男でなければ白人も白人でなく、「男」ならばモン人でも面倒は見る。
ダンディズムというか、ヒロイズムというか、若干うざいくらい。
イーストウッドがあの苦々しい顔をして、かっこいいことを言いたいがためのだけの映画。
なんてったって、腑抜けた白人の家族よりも「男」であるモン人の少年に「グラン・トリノ」フォードをあげる。
まぁ映画としてはいまいち。
テーマとしては共生とか、アメリカ社会の現実を描こうとしてるんだろうけど、それよりもイーストウッド。
保守、男の美学、マッチョ信仰、かっこいいんだけどね。
これなら僕は『クラッシュ』のが好きです、比べる対象ではないと思うけど。
あとは『チョコレート』こっちの方が正面で描いてて、しかも人間味があっていい。
『HACHI』
これ、正直反則です。
だって犬かわいいんやもん。
もう、リチャード・ギアが「ハチ!」って呼ぶ無理矢理な設定とかはどうでもいいです。
とにかく犬、これが全て。
それを除いたらなんももない。
アメリカの暖かさ?とか、犬の忠義(loyalty)はどうでもええですわ。
ただハチ公へのリスペクトの仕方が、単なる待ち合わせの汚い銅像って印象の私たちからすると大仰。
リチャード・ギアが渋谷に来てハチ公像に花輪を捧げるとかね。
まぁ全体として家族で見るにはって、くらいの映画。
松竹ぽさはあるけど。
ん〜『BALLAD 名もなき恋のうた』の煽る陳腐さよりは素直でより自然でしょう。
と、とりとめもなく。
では