『彼女の名はサビーヌ』
渋谷UPLINKの映画業界体験ワークショップで見てきました。
このワークショップ。
どのようにに映画を買い付け、公開するか、を実際の例をとってレクチャーするものでした。
仕事の過程をプロの人が語るのが聞けて、おもしろかったです。
けど、この仕事は楽しそうだが、まぁ趣味でいいなーっていう感想でした。
職業としては自分には合ってないと感じました。
バイヤーって仕事はおもしろそうだったけど。
そして本題。
『彼女の名はサビーヌ』
観た人すべての胸を締めつけた。って紹介には書いてありました。
締めつけられるというより、私には石を飲み込む感じ。
ずしんと重いものがきました。
自閉症の話としては『レインマン』
アカデミー賞とか各国映画賞もとった、ダスティン・ホフマン、トム・クルーズがでてるやつね。
これと比較してみるとなお衝撃的。
なんだかんだ『レインマン』は映画、なんだわ。
特にハリウッド映画、いいエンターテイメントに仕上がっている。
一方の『サビーヌ』
フランスの女優サンドリーヌ・ボネールが初監督し、自身の妹を追ったドキュメンタリー。
ひとつひとつが目の前で「実際」に起きている事柄。
だから、正直、笑えない。
若いころのサビーヌ、アメリカに行くときに笑ってる。
5年間の入院生活は人そのものを変えた。
私たちは現在の彼女に、過去の彼女を捜さなくてはいけない。
どこかに埋もれているはずだから…
ラストでサビーヌが自分の若いころのビデオを観て泣くシーンがある。
「うれしい」
彼女はこう言う。
それがこちらは限りなく悲しい、重い。
カメラは冷徹に、そして姉の目線でサビーヌを追う。
扇情的に何かを訴える、告発する作りではない。
ただ淡々と現在と過去、関係者の話を織り交ぜて語りかけていく。
んー、考えさせられます。
一人の人間を扱う難しさ、医療の非人間性。
これもなんか違うな。
私自身(あまり言ったことないけど)障害者が身近にいる環境で育ってきた。
小さい頃の私にとって、それは「怪物」でしかなかった。
残酷な表現になるし、自分の弱さが嫌になるけど、これは事実。
だから福祉とか介護ってものを興味があるって人の気持ちがわからない。
結局、声高に叫ぶ人たちは彼らと共に生活をしたことがあるのか。
実際、いい人達なんだろうけど、そこには憐憫とかって気持ちは一切ないのか。
それは結局偽善なんじゃないの。
ナチの論理と実は裏表なのではないの、それはやっぱり人を上から見てるって点で。
ちょっと混乱してるけど、これが正直な気持ち。
今まできちんと顕したことがなかったから、自分の考えを文字にしてみて、少し怖い。
自分がこんな考えだったなんて、みたいな。
サビーヌをみてとにかく重かった、苦しかった。
自分はこんな暖かい目線を持てたことがあっただろうか。
サビーヌがある意味まだ「まとも」だった頃を知ってるから?
だから彼女が混乱して不安になってしまったときに、病院に入院させた?
そう思ってしまう自分が悲しい。
まだまだ全然まとまらないけど、自分の今の気持ちは混乱したままでおこう。
では