『BROTHER』

うーん、北野監督まじめ。
これが印象。
アメリカに行ってちょっと肩肘はってる感じやね。


ソナチネ』でも『HANA-BI』でもうまくはずすのにね。
こちらははずしきれていない印象。
黒人の若者との戯れのシーンとか寺島とのシーン。
これは「はずし」のシーンなんだろうけど。
なんとなく一生懸命撮っているなと。


一方で白瀬という日本人ギャングの襲撃シーンには動くカメラを使ったりと、
いつもと違う一面もあったりで良かった。
あとやっぱり海、砂浜、好きなんやねこの人。
遠くからうねる道をゆく車とか。
あとおもしろいシーンとしては、
武演じる山田がアメリカに降り立つところ。
斜めに撮っていて、それが元に戻る。
遠近法的な中心線が画面中央で平行から中心線になるカット。
説明わかりにくいとは思いますが、
これはいいすね、かっこええわ。
何回か似たような構図を使ってます。


あとは暴力表現について。
北野映画の暴力は取り方としては静か。
淡々と撃って、死んでいく。
今回もまぁそんな感じではあるけれど、他に感じたこと。
エスタンをかなり意識しているのかなと。
とにかくアメリカ行って撮りたいもん全部やったって感じやね(笑)
とにかくドンパチのシーンが全部違う。
はじめのクラブ襲撃から、さいごのカフェまで。
いろいろなハリウッド映画とかのシーンを詰め込んだ感じ。


最後にインタビューでも語ってるんですが、
「ブラザー」について。
最近のアメリカのアクション映画へのアンチテーゼって語ってます。
そうね〜シュワちゃんが「ファミリィ」とか言いながら家族のために殺しまくってるのとか、
愛する彼女のために殺しまくってるのとか、正直違和感。
そんなもんかいな、的な。
監督も語るように、疑似家族としての「兄貴」
その象徴としての渡哲也。
愛とかそんなためではなく、ただたんに面子、死に場所さがし。
JAPANESE YAKUZA
この世界に生きることの意味、そこにいるからこその暴力。
結局は弟よりも弟分の黒人への餞。
毎度ながら武かっこいいしょーずるいわ。


いつも以上にバラバラな内容です。
では