『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
若干今更。
これ実際に渋谷で見たのもだいたい1ヶ月前になるか。
さいきんずっと、深夜にテレビ版やってますよね。
ひさびさに見返すと、はまる、寝れない(笑)
今見ても、テレビアニメであの構成は斬新。
カット割りにしても、話、言葉遣いなど、オタクっちゃオタクだが、知的を演出。
で、『破』
『序』もすごかったんですが、これはそれ以上。
予想斜め上、とは少し違うけど、やはりいい完成度。
『序』がほぼテレビ版プロットの焼き直し、再構成といった趣に対し、『破』は言葉通りに破る。
ただ、テレビ版など旧世紀版で感じられたエネルギー、若者らしさ、つまりは起伏の幅の大きさが感じられなくなった。
それらはいい抑制のもと、構成されている。
その意味で話が急展開を見せた今回の『破』は「エヴァらしさ」を喪失している。
『序』はいうてもなぞってるだけなんで。
ただし、一方でそれは否定的な側面だけでない。
則を越えず、ってとこやね(70ではないけど)
本当に完成度は群を抜いてる。
「映画」として上映するにふさわしい。
文法、キャラ、カット、全てにおいて多様な楽しみ方が可能。
ところどころに旧世紀のファンをにやっとさせるシーン。
狙って、狙って、かつ、さりげなく配置してくる、これがにくい。
サービスカットの存在。
名台詞を、ここぞで言ってくれる。
新キャラは巨乳のメガネっ子、声優は坂本真綾。
見せる力、楽しませる力、メディアミックス、それぞれに高水準の作品としてのうまさ、完成度の高さを感じる。
ひとつ見終わってかんじたこと。
「神話」から「寓話」になったな、と。
旧世紀の意味不明さ、謎に感じる深遠さ、それ故の神々しさ、畏れといったものがなくなった。
よりわかりやすく、理解しやすい、素直に楽しめる。
なにより、そのためにキャラがよくしゃべる、あの綾波も。
『破』には「物語破綻への恐怖感はない」
どんどん内省的になって、理解不明なものをわざと振りまくようなことは『Q』でもないやろね。
といいつつ、次回も楽しみ。
完全に商業ベースにのせられちゃってます。
では